今日は全国的にかつおぶしでしょう
久しぶりに自炊をした。
2年間友人たちと3人でシェアハウスをしていたので、先週ぐらいに引っ越して久方ぶりの1人暮らし。このまえまではリビングに2口コンロがあったけど、新居にはそもそも備え付けのコンロがなかった。
ブラックフライデーの間にアマゾンで頼んだコンセント式のIHコンロがなかなか届かないので何だろうなあ、と思ってメールボックスを開いたら、玄関先にお届けしましたと通知が来ていた。旧居の。住所を変更し忘れていた。
ありますように、と祈って旧居まで、徒歩で40分くらい。あった。堂々と品名の描かれた箱に直接送り状とかが貼り付けてあった。見る人によっては置き引きにも見えそうだったけど、無事確保。
しかし、いざ使ってみようとしたところ、うちには無駄に小ぶりの鍋が1つとフライパンは2つもあるのに、IH対応のものが1つもなく、やむなく実家から持ち出したカセットコンロを使う羽目に。
酢豚を作った。玉ねぎさえ入れて炒めれば終了で、何となくちゃんと料理した気分になれる。素晴らしい発明だと思う。
ただ、すごく玄関が、酢豚くさいっていうか、かつおぶしっぽい匂いがする。
もう本当に長らく自分で作った食事というものを経験していなかった。時間を金で買っていたというのが正しいかもしれない。今年の前半はとりわけアホみたいに忙しかったので、少しでも自分の機嫌を取らなければねとコンビニで出来合いのものを買うばかりだった。それに加えてそれなりに無理な生活をしていたので、そもそも食欲が減退していた。
ヤバかった頃に、久々に人間らしい食事でも取るか、と入って後悔した定食屋に、久々に行った。無事完食できたので、健康に戻りつつあることを確認する。
一人暮らし始めて以来割合ずっとそうだけど、自分の作ったものが美味しく感じられない。料理が下手なのか?それも分からないんだけど、とにかく「味を感じる」「食を楽しむ」みたいなセンサーが、自分で作っている品物に対してはプツっと切れているような感じ。
自分にエサを食わせてる、みたいな。
自分が食うもんだから、見た目も何でもいいし、それっぽく栄養が摂れて、活動ができれば良い。実際健康的な食生活であるかどうかは二の次で、摂れているという錯覚が大事だと思う。野菜ジュースを飲んでいれば健康的な気分になれる。鍋・鍋・雑炊・鍋・鍋・雑炊をしていれば、ちゃんと食っていると胸を張りたくなってしまう。
引っ越しして、家賃が上がっても、別にそれと比例して給料も上がってくれるわけじゃないから、少しでも節約していこうかなとスーパーに行く。だけどなんかもう食指が動かないんだよな。腐らせそう無駄にしそう、そうなった時に処理がめんどくさい…みたいなことばかりを考える。料理しろって話なんだけども…。
大量の冷凍焼きおにぎりと、冷凍の唐揚げを買った。今週はそれらと、酢豚と、あと「皆様のお墨付き」のスープを組み合わせて活動していくことになる。3品か4品もあれば、もう天晴れですよ。
美味しく消費できなくてごめんな、と思う。美味しそうだなと思って買ってはいるんだよ。腹を満たして、その代わりに虚しさを得るのはバカげているよなあと思いはするんだけれども、なんかもう習慣づいたものはどうしようもなさそうだなとも思う。どうしようもないのであれば、もうなるべく安く、エサっぽいものを食べて、代わりに何か別のところにお金を使って虚しさを埋めるのが得策なのかもしれない。